テレビやパソコン・スマホなど、私たちの身のまわりには「磁気」を発するものがたくさんあります。
磁気に囲まれて生活していても私たち自身は気することもないでしょうが、腕時計にとっては"最悪"です。
磁気は腕時計の時刻を狂わせる原因になり、さらに症状が悪化すると故障を引き起こすのです。


もし自分の腕時計が不調になっても、原因が磁気かどうかなんて判断できないよね・・
どうしたらいいの?

これからよい方法を解説しますね!
この記事は「磁気が腕時計にどんな悪影響を及ぼすのか?」を掘り下げていくとともに、「不具合の確認方法や対処方法」について解説します。
あなたの大切な腕時計をいつまでも健康な状態で使いつづけるためにも、ぜひご覧いただければと思います。
- 腕時計の「磁気帯び」とは?
- 「磁気帯び」の確認方法について
- 腕時計に帯びた磁気を除去する方法について
腕時計の「磁気帯び」について
磁気を発するモノがいっぱい!
私たちの身のまわりには磁気を発するモノがたくさんあります。
ご自宅やオフィスを見まわすと、つぎのようなモノがあるのではないでしょうか。
- スマホやパソコン、タブレットなどのIT機器
- オーディオ機器など、音が出るスピーカーが備わったもの
- いつも持ち歩くカバンやポシェット、ケースなどの留め金部分
- ホワイトボードに引っ付くペンやネームプレとなど、裏に磁石がついた文具
- 磁気ネックレス、ブレスレットなどの健康器具
あなたは普段から磁気に囲まれて生活しているといっても過言ではありません。
そのため普通に生活してるだけで、腕時計はしっかり磁気の影響を受けてしまうのです。

磁気の近くに腕時計があるとどうなるの?

磁気が腕時計に移ってしまうことがあります。
つまり腕時計そのものが"磁気を持った状態"になるんですね。
これを「磁気帯び」といい、腕時計にはとても厄介な症状が出てきます。
磁気帯びの症状
磁気を帯びた腕時計は正確に時を刻めなくなります。
時間がズレるようになったり、いつの間にか針が止まってしまうといった不具合が出てくるでしょう。

時間が狂うと仕事に支障が出て困るわぁ・・

「磁気帯び」状態になると、どうして時間が狂うの?

腕時計の中には非常に細かな部品がたくさん入っています。
その部品一つ一つが磁気を持った状態を考えてみましょう。

部品と部品が磁力で互いに引いたり押したりしています。
そんな余計な力が働いては本来の正確な動作はできませんよね。
その結果、時間の精度が少しずつ狂ってしまうのです。
「磁気に弱い腕時計」と「磁気に強い腕時計」

腕時計のタイプによっては磁気に強いものと弱いものに分かれます。
あなたの腕時計はどのタイプですか?
機械式腕時計
機械式腕時計は「ゼンマイ式時計」とも言われるように、内にヒゲゼンマイという部品が入っていて、これが規則正しく伸びたり縮んだりすることで正確な時間を刻んでいます。
電気の力など借りずゼンマイの伸縮運動だけで動きつづけるわけですからすごい技術ですよね。
有名なロレックスやオメガなどはこのタイプの腕時計をたくさんリリースしています。

残念ながらこのタイプの腕時計は磁気にとても弱いのが特徴です。
原動力であるヒゲゼンマイが磁気を帯びてしまうと、磁力の影響で伸縮運動に乱れが生じます。
正確な伸縮運動ができなくなれば、時間の精度は狂うというわけですね。
クォーツ時計(アナログ式)
では電池で動くクォーツ時計(アナログ式)はどうでしょう?

このタイプの腕時計にはモーターが内蔵されており、それが針を動かす原動力になっています。
モーターそのものは磁気に弱いのですが、磁気の発生元から遠ざけるれば磁気が抜けやすくい構造をしています。
そのため磁気の近くに ” 長時間 ” 放置されない限り、大きな故障にまで悪化することは少ないでしょう。
デジタル時計
最後にデジタル時計ですが、こちらの場合は磁気の影響はほとんどありませんので安心してください。

「磁気帯び」の確認方法
腕時計の「磁気帯び」を簡単にチェックする方法をご紹介します。
あらかじめ方位磁石をご用意しておいてください。
では、方位磁石をゆっくりと腕時計に近づけてみましょう。


このとき方位磁石の針の動きをしっかり見ていてくださいね!
通常なら方位磁石の針は北の方角を指すはずですが、このとき針が不自然な動きをするようなら問題ありのシグナルです。
おそらくその腕時計は磁気を帯びていて、磁力が方位磁石の針を狂わしているのです。

どうやら私の腕時計は「磁気帯び」してるようだ・・(涙)
磁気の除去方法
磁気抜き
腕時計が「磁気帯び」してるようなら、早急に磁気を取り除きましょう。
時期を取り除く処置のことを「磁気抜き」といいます。
専門業者に「磁気抜き」を依頼すると、あなたの時計を一旦バラバラに分解し、各部品から磁気を取り除いてくれるでしょう。
安心はできますが、当然ながらお金も時間も掛かります。

そこで次の章からは自分で手軽に磁気を取り除く方法をご紹介します。
磁気抜き器について
アマゾンで「腕時計 磁気抜き器」と検索すると、次のような製品がいくつかヒットします。

こちらは専門業者が使うような精密機器ではなく、あくまで簡易的な「磁気抜き器」と考えてください。
この手の製品のほとんどが中国製で、価格も1,000円ちょっとという安さです。
正直なところ「こんな機械で本当に磁気が除去できるの?」と心配になるくらい簡素な作りの製品です。
もし「大切な腕時計が壊れそうでコワい・・」という不安を持ったなら使用を控えてください。
あくまで自己責任でお願いいたします。

磁気抜き方法
ここでは「磁気抜き器」の使い方を解説します。
とても簡単な作業で、1分もあれば終わっちゃう作業ですよ。
(1) 磁気抜き器の上に腕時計を持ってきます。(下写真を参照)

(2) この状態で「赤いボタン」を押しつづけると磁気の除去が始まります。

ブーンという音がして、腕時計側に振動が伝わってくるでしょう。
なにか引っ張られるような感じがするはずです。
(3) 赤いボタンは押しつづけたまま、腕時計を磁気抜き器からゆっくりと遠ざけていきましょう。
(4) 腕時計が十分に離れたら、赤いボタンから手を離します。
(5) この (1)〜(4) の作業を2、3回繰り返してください。
作業が終わったら本当に磁気が抜けたかを確かめてみましょう。
腕時計に方位磁石をもう一度近づけてみてください。

方位磁石の針が不自然に揺れることなく北を指すようでしたら、磁気抜きは無事終了です。

これで磁気は抜けたはず!
調子が良くなるといいなー。
まとめ
腕時計にとって磁気は本当に厄介な存在です。
私たちの身のまわりには電子機器があふれており、普通に生活しているだけで「磁気帯び」の危険にさらされています。
時間が狂ったり、気づくと針が止まっているような症状が出たら要注意!
方位磁石を使って「磁気帯び」していなかを確認してみましょう。
もし「磁気帯び」が見つかったら(専門業者に依頼するか)ご自分で「磁気抜き器」を使って除去してみてください。
そのまま放置すると大きな故障に悪化する可能性もあるので、早急に対応することをオススメします。
大切な腕時計を長く使いつづけるためにも、定期的なメンテナンスを心がけましょうね。
なお、精度を狂わす原因は「 磁気帯び 」だけとは限りません。
もし原因不明の場合は専門業者に相談してください。