オリエントの「KAMASU(カマス)」は私がヘビロテで使ってる1本です。
機械式としてはかなり手頃な価格にもかかわらず、想像以上の質感と必要十分なスペックを持ち、使い心地もとてもいいんですよ。

これがスイス製なら10万円以上するレベル!
オリエントの技術力とコスパの良さはスゴいですね。
もともとの精度も決して悪いものではありませんでしたが、個人的な興味から「歩度調整」にトライしてみることにしました。
果たしてどこまで精度を上げることができるのでしょうか?
本来「歩度調整」は専門の技術者が行う作業であって、私のような素人が時計内部に手を加えると壊れる可能性もあります。
この先お見せする作業は自己責任が前提になりますので注意してください。
「KAMASU」の一般的な精度について
オリエントの「KAMASU」には「F6922」という型番の機械式ムーブメントが搭載されています。

「F6922」の精度についてカタログ上では「日差が +25秒 〜 ー15秒」と公表されています。
実際の精度はどうなのかというと、私の個体は「+12秒」くらいですし、他のユーザーの声を聞いても「+10秒〜+15秒」あたりの個体が多いようです。

多くの個体がプラス寄りなんですね。
メーカーが故意的にそう調整しているのかも。
この時計が機械式であることを考えると十分に満足できる数値でしょう。
しかし今回はあえてさらに良い数値を狙って調整してみます!
「KAMASU」の歩度調整
ムーブメントにアクセスするためには時計の裏蓋を開ける必要があります。

裏蓋は特殊な構造をしてますので、専用のオープナーを使って開けることになります。

※ここから先、ご自分で作業する場合は自己責任となりますので注意してください。
オープナーを裏蓋の溝に引っかけて反時計回りに回すと下のように外れます。
(写真では裏蓋に傷が付かないようテープで保護しています。)

こちらが「F6922」ムーブメントです。
小さな部品がまるで生きているかのように動いているでしょう♪

これから「緩急針」と呼ばれる部品(赤色の部分)を動かして調整していきます。

レバーのような部分を
- 「+」の方に動かすと日差はプラス方向に調整されます。
- 「ー」の方に動かすと日差はマイナス方向に調整されます。

緩急針のすぐ下ではゼンマイが動いてますよね。
誤ってゼンマイに触れると故障する可能性があるので注意が必要です。
ただし、「緩急針をどれだけ動かすと日差は何秒変わるのか?」はやってみないと分かりません。
「+」側に動かしたら意外と進みすぎてしまい・・「ー」側に戻したら今度は遅くなりすぎ・・また「+」側に再調整する・・
そんな作業を何度も繰り返して終着点を見つけることになるでしょう。
時間と手間がかかることは覚悟してくだい。

これは大変だ・・(汗)
理想の精度にたどり着くまで果てしないかも。
まとめ
歩度調整を繰り返した結果、私のKAMASUは「日差 +2〜+4秒」というスゴい精度になりました。
(偶然いい感じに調整できちゃったのです・・ラッキー!笑)
もちろん「腕に装着する時間」や「その日の腕の動かし具合」によって数値は前後します。
時計を外した際に「平置きしておくのか」「9時位置を下に置くのか」「6時位置を下に置くのか」によって数値がどの程度ちがうのかも理解できました。
時が経つにつれてこの精度も悪くなるでしょうが、素人作業としては大満足の結果となりました。
調整次第でここまでの精度を叩き出すオリエントの時計自体もスゴいですよね!
※歩度調整をご自分で行う場合は自己責任でお願いします。