以前にシチズンの機械式ダイバーズウォッチ「PROMASTER(NY0125-83E)」を紹介しました。
エントリー向けのモデルですが質感は高く、ダイバーズとしてのスペックも十分で、さらにクラシカルなデザインは往年の「チャレンジダイバー」を彷彿させます。

夏にとっても似合う時計です!
海辺でもアウトドアでもハードに使えますよ♪
この時計の精度に関して、公式ホームページでは「日差が −20 ~ +40秒」と記載されています。
ちなみに私の個体は「+15 〜 +20秒」くらいでしょうか。
この値は一般的な機械式腕時計として決して悪いものではありませんが、またまた個人的な興味から(笑)「歩度調整」してみることにしました。
本記事では調整作業の工程を踏まえて紹介したいと思います。

本来「歩度調整」は専門業者に依頼すべきものです。
一般の方が時計内部に手を加えると故障する危険もあるでしょう。
この先の作業は自己責任となりますのでご了承ください。
作業に必要なツール
こちらの「PROMASTER(NY0125-83E)」の内部にアクセスするのですが、その前に・・

この時計の裏蓋はスクリューバック式で、周辺に5箇所に窪みがあります。
6箇所に窪みがある時計はよく見かけますが、5箇所というのは珍しいかもしれませんね。

このような構造の裏蓋を開けるためには専用のツールが必要になります。
それがこちら。3点支持の「裏蓋オープナー」です。

腕時計によって「裏蓋の窪み」の間隔は異なりますので、自在に調整できるようになっています。
(最大で55mmまで対応)

3点支持の部分には「ビット」と呼ばれる爪のようなパーツを取り付けます。
形状の異なる付け替え用のビットが付属していますので、あなたの時計にフィットするものを選びましょう。

腕時計の裏蓋をオープン
まず裏蓋オープナーに適切なビットを取り付けます。(3箇所)

各ビットが裏蓋の窪み(3箇所)に引っ掛かるよう裏蓋オープナーをかぶせます。

裏蓋オープナーをうまく固定できたら「反時計回り」に回してみてください。

裏蓋が外れ、これでムーブメントにアクセスできるようになりました。

歩度調整

ご自分で歩度調整する場合は自己責任となります!
注意して作業しましょう。
こちらが「PROMASTER NY0125-83E」に搭載される「8204」という機械式ムーブメントです。
これから「緩急針」と呼ばれる部品(赤色の部分)を動かして調整を行います。

緩急針を「+」側に動かすと日差がプラス方向に調整されます。
逆に「ー」側に動かすと日差はマイナス方向に調整されます。

緩急針の真下ではゼンマイが動いています。
誤ってゼンマイに触れると故障することもあるため十分注意してください。
このとき「緩急針を何ミリ動かすと日差は何秒変わるのか?」といった目安などはありません。
つまりやってみないと変化の具合は分からないのです。(汗)

「+」側に動かしたら時間が進みすぎて・・
「ー」側に戻したら逆に遅れ気味になって・・
仕方なくまた「+」側に動かしてみる・・
この作業をひたすら繰り返してちょうどいい「終着点」を見つけることになるでしょう。
時間と手間がかかることは覚悟してくださいね。
まとめ
今回の歩度調整は(途中で故障することなく)無事終了し、時計は「日差が +5秒前後」という驚くべき精度で動きつづけています。
いずれ時間の経過とともに精度も劣化するだろうと思いますが、その都度また手を加えればいいだけです。
腕時計を自分でメンテできることにようになると愛着もさらに増しますよー♪
歩度調整作業は自己責任となるためオススメはできませんが、この記事の内容を楽しんでいただけたのなら幸いです。