クォーツ時計が正確に時を刻む一方で、機械式時計は1日に数秒ずつズレるもの。
「一日に何秒進むか、遅れるか?」については、腕時計の個体ごとにも異なりますし、使い方(その人の仕事など)によっても変わってくるでしょう。

私の時計はちょっとずつ進んでいくんだよね・・
数日に一度、時間を調整してます。
ここで腕時計の精度が気になるあなたに質問です。
一日の仕事が終わって帰宅したとき、腕時計を手から外してテーブルの上などに置いておきますよね。
そのときどんな置き方をしていますか?

「置き方」が関係あるの?
実は腕時計をどういう向きで置くかによっても時刻の"ズレ具合"は変わるのです。
これを腕時計の「姿勢差」といいます。
ならばその「姿勢差」を理解して逆手に取ろう!というのがこの記事の趣旨になります。
日中 あなたの腕時計が「進みがち」なら、帰宅してから翌日出かけるまでは「遅れがち」の置き方をしておけばよいのです。

ズレ具合をうまく相殺できれば
(結果として)一日の精度が良くなるってことか!
自宅での腕時計を置き方を工夫して、精度のズレを調整しよう!
腕時計の置き方
自宅で腕時計をどう置くか? は人それぞれだと思います。
まず「姿勢差」云々を考える前に、置き方そのものにも"良し悪し"がありますので、各パターンを1つずつ見ていきましょう。
腕時計を(垂直に)起こした状態で保管
腕時計スタンドをお持ちの方でしたら、下のように立てかけておくと見栄えもいいですよね。
腕時計が起きた状態、つまり文字盤が正面を向いた状態になります。

文字盤を上にして置いた状態で保管
文字盤を上にして、テーブルの上にポンと置く人は多いのではないでしょうか。
もし時計に何かしらの力が加わると、裏蓋とブレスが互いにこすれて傷がつく可能性もありますので注意しましょう。

文字盤を下にして置いた状態で保管
見栄えもヘンですし、こんな置き方をする人はほとんどいないと思いますが・・
中のムーブメントへの影響はないでしょうが、風防がプラスチック製の腕時計でしたら厳禁ですよね。(汗)

竜頭を上にして置いた状態で保管
竜頭を上にして置くのもわりと一般的だと思います。
この置き方を推奨する腕時計屋さんも多いようですし、私自身もこの置き方をしています。

竜頭を下にして置いた状態で保管
竜頭を下にする置き方については諸説あって、「これがいい」という人もいれば「絶対ダメ!」という人もいますね。
ダメという理由は「何かしらの力が時計に加わったとき、すべての衝撃が竜頭に掛かって内部を傷めるから」だそうです。

姿勢差の確認方法
「タイムグラファー」という機器をご存知でしょうか?
これを使うと"腕時計の向きによって、どのくらいの精度が出るか"を簡単に計測できます。
とはいえ普通の人はこんな機器を持っていませんよね。
私も持っていません。(汗)

ではタイムグラファーなしでどう計測するのかというと、
一週間ほど掛けて手動でコツコツ測ればいいのです。
あなたが帰宅して腕時計を外すのが夜の23時だとします。
翌日また腕に装着するのが朝の7時だとすると、腕時計を「8時間」テーブルの上に置いておくわけですよね。

その8時間で「時間は何秒進むのか?」それとも「何秒遅れるのか?」を計測してみましょう。
今晩はこの置き方、明日はこの置き方・・というよに、日によって腕時計の置き方を変えながら作業してください。

なるほど。
どの置き方をすれば腕時計が「進みがち」なのか「遅れがち」なのかが分かるわけですね。

1日(24時間)あたりの精度を知りたかったら、計測値を3倍すればOK!
なお、計測にあたっては時間に正確なクォーツ時計(G-SHOCKなど)を別途用意しておく必要があります。
置き方を工夫して1日の精度を調整
「置き方によってどのくらい時間が進むのか/送れるのか」が分かってしまえば、精度の調整自体は簡単な作業です。
あなたの腕時計が日中「進みがち」なら、帰宅後は「遅れがち」の置き方をすれば良いだけですから。
ズレ具合もうまく工夫すれば「プラス・マイナスで相殺されてゼロ」に近づけることも可能かもしれません。

毎晩のちょっとした作業で私の時計の精度が上がりました!(喜)
まとめ
機械式腕時計の場合、精度に姿勢差が生じます。
姿勢差自体はやっかいに思うかもしれませんが、「どのように置けばどのくらい進むのか、遅れるのか?」を理解してしまえば、それは"精度調整の手段"にもなるのです。
帰宅後の腕時計の置き方をひと工夫するだけで、より正確な時間を刻んでくれることでしょう。