長年クルマに乗りつづけていると、ヘッドライトの"黄ばみ・くすみ"が気になってくるのではないでしょうか。

いくら洗車してもライトがキレイにならないんです・・

あれは汚れではなく、ライト表面の材質が経年劣化してるんですよ。
なので水や洗剤では落とせません。
特に欧州車の多くの場合、ヘッドライト表面のハードコートが劣化すると「ひび割れ」を起こします。
輸入車ユーザーの方はライト表面を近くでじっくり見てみてください。

ホントだ!
ライト全体に無数の「クラック」が入ってますね。
「くすみ」の正体はコレだったのか・・
では、これらのクラックはどうやって除去したらよいのでしょうか?
本記事はフォルクスワーゲンのゴルフ7を例に、各種研磨用品でヘッドライト表面を磨く手順を紹介します。
各工程ごとにライトの状態がどう変化していくのかをご覧ください。
愛車を手入れする際の参考になれば幸いです。
使用する研磨用品

今回の研磨作業で使用したものを紹介します。
まずは「耐水ペーパー」、いわゆる水研ぎ用のサンドペーパーが必要です。
最初の工程ではヘッドライトに水を流しながら、このペーパーを使って表面をゴシゴシと磨きます。
今回の作業では「400番」「800番」「1000番」「1500番」「2000番」の耐水ペーパーを使いました。
番号はペーパー表面の「目の粗さ」を示し、小さな番号ほど目が粗く、番号が大きくなるにつれて細かくなっていきます。

そして「液体コンパウンド」です。
こちらは耐水ペーパーで研磨した後に使います。
今回は「傷消し用3000番」「仕上げ用7500番」「超鏡面用9800番」がセットになったものを用意しました。
各番号は粒子の細かさを示し、番号が大きくなるにつれて粒子が細かくなっていきます。

そして「コーティングシート」も用意しました。
すべての研磨が終わった後にヘッドライトを保護するためコーティングを施します。

研磨前のヘッドライトの状態
研磨作業に入る前にヘッドライトの状態を見ておきましょう。
全体的に白く"くすんで"いて、近くで見ると表面には無数のクラック(=ひび割れ)が確認できます。


見た目も古そうに見えるし、ライトの明るさが弱いと夜の走行も危ないよね。
研磨してキレイになったらいいなぁ。
【工程①】まずは耐水ペーパーで磨く

最初はヘッドライトをひたすら耐水ペーパーで磨きましょう。
目の粗いペーパーから始めて、徐々に目の細かいペーパーへと作業を移します。
400番
まずは今回の耐水ペーパーの中で最も目の粗い400番から始めます。

ヘッドライト周りをマスキングテープで保護した後、水を流しながら耐水ペーパーでひたすら磨いていきます。
とにかく細部まで念入りに、何度も何度も研磨することが大切です。
磨きつづけると表面が削れ落ちて白く濁った水が垂れてくるでしょう。
それをまた水で流しつつ、ひたすら磨きつづけます。


けっこうキツい作業ですね・・
ひたすら磨きつづけて腕がかなり疲れたのではないでしょうか?
ここで400番で研磨した後のヘッドライトの状態を見てみましょう。

目の粗いペーパーで削ったこともあり、もともとの状態よりも白くなってしまいました。
「ヤバい、こんなんで大丈夫かな・・」と不安になるかもしれませんが、慌てず次のステップに進みましょう。
800番
次は800番の耐水ペーパーでの研磨作業を行います。
先ほどよりも少しだけペーパーの目が細かくなります。

ここでも同じ作業の繰り返しになりますが、ヘッドライトに水をかけながら磨きつづけてください。
先の400番でついてしまった傷を、この800番で磨き落としていくイメージです。
研磨後の状態がこちらになります。

1000番
つづいて1000番の耐水ペーパーを使って磨きましょう。

1000番で研磨した後の状態がこちらになります。
ライト表面はまだまだ白く濁った状態ですね。

1500番
次は1500番の耐水ペーパーで研磨します。
モチベーション的にもそろそろ目に見えた変化が欲しいところでしょう。

1500番で研磨した後は、ほんの少しだけヘッドライトの透明度が上がったような気がします。

2000番
そして2000番の耐水ペーパーです。

ここまで作業してきて「本当にキレイになるのか?」と半信半疑でしょうが、がんばって磨きつづけてください。

もう腕がパンパンになってきた・・
でもがんばろう!
2000番で研磨した後の状態がこちらです。
まだまだ透明度は十分ではありませんが、耐水ペーパーを使った研磨はここで終了になります。

【工程②】次は液体コンパウンドで磨く

ここからは液体コンパウンドを使った研磨作業に移ります。
つづけてがんばりましょう!
傷消し用3000番
まずは傷消し用3000番の液体コンパウンドを使います。
コンパウンドとしては粒子が粗いものですが、耐水ペーパーに比べたら断然細かいものです。

付属のスポンジに液体を出し、ヘッドライトをくまなく磨いていきましょう。
細部まで丁寧に・・気になる部分はしっかりと・・
そして最後に乾いたタオルで拭き取ってください。

傷消し用3000番の液体コンパウンドで研磨すると、ヘッドライトは下の写真のようになりました。
どうです? 一気に透明度が上がったように思えませんか?
これなら次のステップに期待が持てますよね。


ここにきてようやくホッとしました。
次の工程も頑張るゾ!
仕上げ用7500番
つづいて使用する液体コンパウンドは仕上げ用7500番です。
粒子がさらに細かくなるため、研磨の効果が楽しみです。

仕上げ用7500番で研磨した後の状態がこちらです。
どんどん透明に近づいてくると嬉しくなりますね。

超鏡面用9800番
そして最後に使うのが超鏡面用9800番の液体コンパウンドです。
こちらの工程も手を抜かず、しっかり研磨しましょう。

すべての研磨作業が終わり、十分満足できる透明度が蘇りました!
いい感じに仕上がったと思います。


DIYでここまでキレイになれば大満足!!
【工程③】最後にコーティング
ここまでの作業でヘッドライト表面のコーティングは完全に削り落とされた状態になっています。
もし今後の傷や変色が気になるようなら、最後の"シメ"としてコーティングしておくとよいでしょう。


ウェットティッシュみたいなシートでヘッドライトを軽く拭くだけです。
表面が乾いたら二度塗りし、それで終了です。

以上ですべての工程が終わりです。
おつかれさまでした!
まとめ
ゴルフなどの欧州車の多くは、ヘッドライトが経年劣化すると無数のクラック(=ひび割れ)が発生します。
これは見た目も悪いですし、夜間に走っていてもライトが暗いと安全上も良くないですよね。
今回は耐水ペーパーと(液体)コンパウンドで研磨しましたが、ご覧いただいたように結構手間のかかる作業です。
しかし工程が進むにつれて明らかにキレイになっていきますので、やってみる価値はあるでしょう。
ただし作業は自己責任でお願いいたします。